虫歯の処置について
それでは、オーソドックスに虫歯の処理はどのようにされるのでしょう。
先ほどの「虫歯の種類とは」ででてきたカテゴリ(C0~C4)を参照しながらご覧下さい。
軽度のう蝕であれば治癒できることもある
長い間、日本では一度う蝕したものは、絶対に治らないとされてきました。
しかし、軽度のう蝕であれば、リカバーできることがわかり、治療も変わってきました。
基本的に、C0のもの、そして広範囲でないC1のものに関しては、削らず再石灰化を促進させる治療が増えてきています。
また、歯のう蝕部分をオゾンや特殊な薬剤で殺菌し、リカバーする技術もでてきています。
基本、虫歯は治らない
酸によって溶かされた歯の構造は、基本的には復活しません。
ですから、穴が空いた歯は、放っておいて閉じることはまずありません。
う蝕状態が歯に残っていると、う蝕がどんどん進行してしまいますから、結果的にう蝕の起きた部分を削り、詰め物をすることとなります。
広範囲のエナメル質が侵されたC1や、象牙質まで達したC2では、こうした従来どおりの「削ってうめる」治療がされています。
オリジナルの歯と同じ色の樹脂を「コンポジットレジン(CR)」「レジン」と呼びます。
金属の部分的な埋め込みを「インレー」と呼んでいます。
程度がひどいと抜歯が必要
う蝕が歯髄腔まで達していたり、歯の原型を留めていないなどの重症例では、最終的に抜歯が必要となります。
う蝕は歯髄腔まで行ったら止まるわけではありません。
その先の歯神経も侵しますし、周りの歯槽骨や歯茎も溶かすなど、口腔全体を溶かしていくのです。
そのため、残された歯根が炎症を起こさず、影響を抑えるためにも抜歯という選択となります。
広範囲の象牙質や歯根が侵されたC3、歯髄腔まで達したC4などが対象となります。
この場合には、一度抜歯した後、神経をつぶして支柱を入れ、人工の歯を形成します。
いわゆるクラウンというものの適応例となります。