ジェルでなく、膜で隔離し再生を促す
エムドゲイン法は、患部に直接再生効果のある薬剤を塗布する治療でした。
一方で、人工の薄い膜で、欠損した患部を囲い込み、成長を促す治療法もあります。
それがGTR法です。
切開は必要だが、自然治癒力を使った治療
治療根拠はいたって単純で、まず切開してプラークを完全に取り除いた後、溶けてしまった歯槽骨の形状を復元するよう、欠損部を人工の膜で囲み、新たにプラークが入りこまないようにして完成形を作ってから一度閉じます。
こうすることで、本来であれば歯肉の上皮だけが成長するところを、上皮の間に膜で遮断するために、内部の組織の修復を促し、結果的に元の形状を取り戻すことができるものです。
エムドゲイン法と同じく、1ヶ月-2ヶ月ほどで構造が再生しますが、このGTR法では、構造が再生した後、膜を取り除くために再度切開が必要となります。
切開して膜を取り除いたあとは、切開部の治癒を待って治療が完了となります。
保険適用だが割りにあわない治療、感染の危険も
この治療の最大のポイントは、保険適応に加えられたことです。
しかし、実際にはエムドゲインとは異なり、人工膜を移植するため細菌がつきやすく、組織が再生するまで、しっかりと傷口も含めて管理していくことが求められます。
ですから、値段は2-3万前後で可能ですが、極めて感染の危険が高くあまりオススメする人は少ないといえるでしょう。
同じ切開を加えるなら、エムドゲインを行うべきという考えもあります。