歯周病とは

歯周病とは、簡単に言うと、歯本体ではなく、歯を取り囲んでいる歯茎(しけい)が菌に冒される病気です。

これは、虫歯菌であるミュータンス菌などとはまた異なり、歯肉を侵す数種の菌が発見されています。

何故、これほどまでに歯周病という言葉がよく聞かれるようになったのでしょう。

一つには8020運動(80歳まで20本の歯を残そう)が功を奏したこともあり、日本人の多くが健康な口腔環境を作ることに成功しているからです。

歯を残せるようになった反面で、歯周病というその歯を支える疾患も多く見られるようになって来ました。

歯周病は歯を根こそぎダメにする

歯周病の怖いところは、歯茎を侵し、どんどんと削り取っていくところにあります。

よく、歯と歯の付け根の間が空いた人を見かけますが、これぞまさしく歯周病です。

歯周病になると、歯茎に慢性的な炎症が起こり、やがては歯茎がだんだんとやせていきます。

特に、プラークと呼ばれる、食べかすなどから発生した細菌の塊が、この歯茎の炎症の原因であり、歯と歯茎の境目に溜まりやすいのです。

もうひとつ怖いところは、歯茎だけでなく下の歯槽骨と呼ばれる骨も一緒に溶かしてしまうことです。

これによって、歯肉だけでなく骨まで削り取るため、元通りの位置まで歯茎の再生が不可能となってしまいます。

結果的に、歯茎がどんどん下がっていきます。

なぜ歯周病に気付かないのか

歯周病の怖いところは、う蝕と異なり自覚症状があまりないことです。

口腔内というのは粘膜でできており、非常に弱いものですから、出血などが比較的起こりやすいものです。

特に少し歯茎から出血していても、すぐに「おかしい、病院にいかなければ」と思う人は、実はあまりいないといえます。

また、痛みもう蝕ほど感じないため、気付かないうちにどんどん進行していきます。

さらに、長い年月をかけてゆっくりと進行していくため、変化に自分自身で鈍感になってしまうことも挙げられるでしょう。

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