虫歯を作る細菌
前項では、虫歯が主に口腔内の細菌によって引き起こされることを説明しました。
しかし、口腔内のすべての細菌が虫歯を引き起こすわけでは有りません。
ミュータンス菌によるう蝕
虫歯を起こす菌を虫歯菌と呼んでいますが、正式名称としては、ストレプトコッカスミュータンスという名前で知られる、「ミュータンス菌」が代表格です。
このミュータンス菌が、糖から酸を作り出し、歯を溶かしていくのです。
ミュータンス菌がいない子ども達
ここで、おや?と思う人もいるかもしれません。
もし、ミュータンス菌さえいなければ虫歯にならない or なりにくいのではないか、と。
これは実は大正解なのです。
ミュータンス菌だけが虫歯菌では有りませんが、多くの虫歯菌は後天的に口腔内に侵入したものです。
生まれたばかりの新生児には、虫歯菌は存在しないことがわかっています。
少し古い年代の人であれば、親が子どもに口移しで食べ物を与えるのが日常でした。
しかし、こうした行為が、親のミュータンス菌を子どもに移植してしまうことがわかり、子の風習は下火となっています。
また、歯科医療の発達により、できるだけ早期で発見できるようになり、細菌の若い世代では虫歯を持たない者も多いのです。