ドックベストセメントによる修復
さて、これまで比較的小規模のC0からC2あたりまでであれば、ヒールオゾンや3MIX法、カリソルブなどできるだけ削らない治療が登場しました。
では、歯根などまで達したり、神経に触れているものに関しては、やはり抜歯しかないのでしょうか。
比較的重症例にも対応できるのが、ドッグベストセメントという技術です。
こちらはアメリカで開発されました。
歯髄にかかるような虫歯も適応
このドッグスベストセメントの良いところは、セメントであるため、レジン(CR)と同等の強度を誇りながらも、薬液を同梱しているため、治療が同時に行えるところです。
特に、神経に近い虫歯は、神経にかかっていなくても通常は削らないことが多いものです。
(物理的に、可能/不可能、というより、そこまで達してしまったう蝕だと、歯の構造が破壊しており、抜歯することが多い)
この際に、削れるところまでギリギリを削り、残りは少し残して、このセメントで蓋をします。
こうすることで、閉じた後も殺菌が続き、結果的にう蝕を根絶できるといわれます。
新しくデータが少ない
やはり新しい治療法だけに、非常にデータに乏しいのが現状です。
また、果たして本当に重症例の虫歯に「確実に有効」かは、疑問を唱えるドクターもいます。
定期的に経過を観察する必要もあり、治療後も経過を見なくてはいけません。
もちろん保険適応外ですから、なかなか考えどころでも有ります。
ただ、重症例にも適応している数少ない方法ですから、候補として考えるのは非常に有意義といえるでしょう。